農業の確定申告を頼むなら|JA・青色申告会・税理士の費用と違い
📑 目次
※本記事はプロモーションを含みます。
農業の確定申告は、全部を自分でやらなくても大丈夫です。
頼み先は大きく4つあります。
無料の国税庁の作成コーナー、JAの記帳代行、青色申告会、税理士です。
どこまで任せるかで、費用は0円から年10万円以上まで変わります。
先に結論:4つの頼み先
- お金をかけたくない → 国税庁の「確定申告書等作成コーナー」(無料・農業所得用に対応)
- 帳簿づけを任せたい → JAの記帳代行(JAによっては畜産が対象外)
- やり方を教わりたい → 青色申告会(鹿児島の例で年14,000円)
- 申告までまるごと任せたい → 税理士(個別見積もり。事務所の公開例では申告だけで10万円〜)
頼み先4つを、表でくらべる
| 頼み先 | 任せられること | 費用の目安 | 向いている人 |
|---|---|---|---|
| 国税庁の作成コーナー | 画面の案内に沿って自分で作る | 無料 | 帳簿はついている人 |
| JAの記帳代行 | 帳簿と決算書づくり(申告書の作成は別のことが多い) | 例:年35,000円〜、5万円台など(JAごとに違う) | 帳簿づけが一番つらい人 |
| 青色申告会 | 記帳の指導、決算・申告の相談 | 例:鹿児島は年14,000円(会ごとに違う) | 教わりながら自分でやりたい人 |
| 税理士 | 帳簿づけから申告書の作成・提出まで | 個別見積もり | まるごと任せたい人、規模が大きい人 |
費用の数字は、下の章で出典をつけて説明します。
① 無料でやるなら:国税庁の「確定申告書等作成コーナー」
お金をかけずに済ませたいなら、まずは国税庁の確定申告書等作成コーナーです。
国税庁によると、作成コーナーでは確定申告書のほか、青色申告決算書や収支内訳書も作ることができ、e-Taxで提出できます。
国税庁の令和7年分の手引きでは、「農業所得がある方」のボタンから、青色申告決算書(農業所得用)の入力画面へ進む手順が説明されています。
ただし、作れるのは「帳簿がついていれば」です。
レシートが箱にたまったままだと、ここで手が止まります。
作成コーナーの手順は、農業の確定申告のやり方に5ステップでまとめました。
会計ソフトは「農業用の決算書」が作れるか確かめる
帳簿づけに会計ソフトを使う人は、農業所得用の決算書を作れるかを先に確かめてください。
ソフトによって、対応がまったく違います。
| ソフト | 農業所得用の決算書 | 注意点 |
|---|---|---|
| マネーフォワード クラウド確定申告 | 作れない(公式FAQ) | 帳簿づけには使える。決算書は作成コーナーで作る |
| freee会計 | 作れる(2019年1月7日から) | スタンダード・プレミアムのみ。この機能では電子申告できず、印刷して提出。農業以外の事業所得があると使えない |
どちらも、2026年10月27日に各社の公式ページで確かめた内容です。
② 帳簿づけを任せるなら:JAの記帳代行
日々の帳簿づけが一番つらい人は、JAの記帳代行があります。
ただし、中身も料金もJAごとに違います。
公式に料金を公開している2つの例を並べます。
| JAグループ岩手 | JA上伊那(長野県) | |
|---|---|---|
| 基本の料金 | 年35,000円〜(税抜・農業総収入の規模で段階的に増える) | 初期登録10,000円+基本料50,000円(税込) |
| 畜産 | 家畜の管理(育成費用・棚卸など)は年5,000円〜を追加。繁殖・酪農・肥育はすべて対象 | ページに記載なし |
| やること | 会計帳簿と決算書を作る(白色・青色・消費税に対応) | 決算書・貸借対照表・総勘定元帳を作る |
| 申告書 | 作成料金は含まれない | 決算書をもとに各自で申告書に転記する |
畜産農家は、まず自分のJAで「畜産も対象か」を聞いてください。
JAグループ岩手のように畜産向けの料金を決めているところがある一方で、神戸市周辺のJA兵庫六甲のように、記帳代行の対象から畜産を外しているJAもあります。
また、どちらの例も、確定申告書の作成は料金に入っていません。
「どこまでやってもらえるか」と「税理士の報酬は別か」を、申し込む前に確かめておくと安心です。
③ 教わりながら自分でやるなら:青色申告会
青色申告会は、個人事業主などが集まる民間の団体です。
国税庁の資料によると、各地の青色申告会は記帳の指導や税法の説明会などを行っており、平成31年3月時点で約1,800会・約59万人の青色申告者が加入しています。
会費は会ごとに違います。
公式サイトで料金を公開している、鹿児島青色申告会の例を挙げます。
| 鹿児島青色申告会 | 金額 |
|---|---|
| 入会金 | なし |
| 年会費 | 14,000円 |
| 確定申告の時期の個別相談(所得税) | 会員4,000円(会員でない人は20,000円)、2回目から1,000円 |
申告の時期(2月1日〜3月15日)の個別相談は、完全予約制です。
鹿児島青色申告会は記帳代行も行っていて、2025年9月1日時点で利用者は56名、利用料金の平均は年96,370円と公表しています(金額は業務内容に応じて個別に相談)。
近くの会の金額とサービスは、直接聞くのが確実です。
「やり方を教わって、自分でできるようになりたい」人に向いています。
青色申告会とマネーフォワードの比べ方は、青色申告会って入る必要ある?で書きました。
④ まるごと任せるなら:税理士
帳簿づけから申告書の作成・提出まで、まるごと任せられるのが税理士です。
料金は事務所ごとの個別見積もりです。
一例として、ある税理士事務所(さの会計)の公開している料金表では、次のようになっています。
- 確定申告の作成(事業所得):100,000円〜(税抜)
- 年商500万円未満で記帳も頼む場合:年間10万円程度から(よくある質問より)
- 年商が上がれば、料金も上がる
これは1つの事務所の例で、農業に限った料金ではありません。
農業には、育成中の家畜の費用の扱いや、肉用牛の免税の特例など、農業ならではの決まりがあります。
頼むなら、農業の申告を受けたことがあるかを最初に聞いてください。
税理士の探し方
知り合いに紹介してもらう方法のほかに、無料で税理士を紹介してくれるサービスもあります。
近くに農業に詳しい税理士が見つからないときは、条件を伝えて探してもらう方法もあります。
頼むかどうか、3つの質問で決める
迷ったら、次の3つを自分に聞いてみてください。
- 1年分の帳簿は、今ついているか? ついていない → まず記帳代行か税理士
- 畜産の収入はあるか? ある → JAに畜産が対象か聞く。対象外なら税理士
- 申告の時期に、何日も時間をとれるか? とれない → 税理士
反対に、帳簿がついていて時間もとれるなら、無料の作成コーナーで十分です。
頼む前に、これだけは確かめる
費用の総額:月額か年額か。登録料・事務用品代・税理士報酬は別か。
どこまでやるか:帳簿づけだけか、申告書の作成と提出までか。
やめ方:途中でやめるときの決まり。
農業の経験:農業所得の申告を受けたことがあるか。
よくある質問
Q. 農業の確定申告は、自分でやらないといけませんか?
A. いいえ。
帳簿づけはJAの記帳代行、申告書の作成は税理士に頼めます。
費用はかかるので、総額を確かめてから決めてください。
Q. お金をかけずに済ませる方法はありますか?
A. 国税庁の確定申告書等作成コーナーは無料で、青色申告決算書(農業所得用)も作れます。
ただし、帳簿がついていることが前提です。
Q. マネーフォワードで農業の決算書は作れますか?
A. 公式FAQによると、青色申告決算書(農業所得用)と収支内訳書(農業所得用)の作成には対応していません。
帳簿づけに使い、決算書は作成コーナーで作る形になります。
Q. JAの記帳代行は畜産農家も使えますか?
A. JAによって違います。
JAグループ岩手は繁殖・酪農・肥育向けの料金を決めていますが、JA兵庫六甲は対象を「農業収入(畜産除く)」としています。
自分のJAに確かめてください。
まとめ
- 頼み先は、作成コーナー(無料)・JAの記帳代行・青色申告会・税理士の4つ
- JAの記帳代行は、JAごとに料金も中身も違う。畜産向けの料金があるJAも、畜産が対象外のJAもある
- 会計ソフトは、農業所得用の決算書を作れるか先に確かめる
- まるごと任せるなら税理士。農業の申告を受けたことがあるかを最初に聞く
自分でやる手順は農業の確定申告のやり方に、白色申告の書き方は収支内訳書(農業所得用)の書き方にまとめています。
📚 参考・出典
すべて2026年10月27日に開いて確認しました。
- 国税庁「確定申告書等の作成|令和7年分 確定申告特集」 ── 作成コーナーで確定申告書・青色申告決算書・収支内訳書を作成し、e-Taxで提出できる
- 国税庁「令和7年分 決算書作成(青色申告)編」の手引き(PDF) ── 「農業所得がある方」ボタンから「決算書(農業所得用)の入力」画面へ進む
- マネーフォワード クラウド確定申告 サポート(2026年9月4日更新) ── 青色申告決算書(農業所得用)・収支内訳書(農業所得用)の作成に非対応
- freee ヘルプセンター「freee会計マニュアル【農業(個人事業主)の経理編:確定申告】」(2026年4月6日更新) ── 2019年1月7日から農業所得用の決算書を作成可・スタンダード/プレミアムが対象・この機能では電子申告不可・65万円控除の決算書は出力不可・農業以外の事業所得は対応不可
- JA兵庫六甲「記帳代行サービス」 ── 対象は農業収入(畜産除く)または不動産収入のある組合員・申告書の作成は行わない
- JAグループ岩手「会計記帳代行&申告事務支援」案内資料(PDF・作成時期の記載なし) ── 個人農家の会計記帳代行基本 年35,000円〜(税抜・農業総収入で段階的に増額)・飼養家畜管理 年5,000円〜(繁殖・酪農・肥育経営を行う全ての者が対象)・確定申告書の作成料金は含まない・年間料金は必要経費に算入できる
- JA上伊那「記帳代行サービス」 ── 個人:初期登録料10,000円・基本料50,000円(税込)・決算書等を作成し各自で申告書に転記
- 国税庁「第1節 関係民間団体」 ── 単位青色申告会は記帳指導・税法説明会などを行う/約1,800会・約59万人(平成31年3月)
- 鹿児島青色申告会「記帳代行サービスを利用してみませんか?」(2026年3月23日) ── 2025年9月1日時点で利用者56名・平均年96,370円・費用は業務内容に応じて個別相談
- 鹿児島青色申告会「料金案内」 ── 入会金なし・年会費14,000円・確定申告期個別相談(所得税)会員4,000円/非会員20,000円・2回目以降1,000円・2/1〜3/15完全予約制
- さの会計「料金表」 ── 事業所得の確定申告100,000円〜(税抜)・年商500万円未満で年間10万円程度から
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この記事は、農業と畜産を営む家で育った経験と、飼料営業として担当エリアの現場で見聞きしたことに基づいています。 個別の経営判断は、必ず担当の税理士・士業・JA・農業委員会等にご相談ください。
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