作った野菜の売り方

野菜の相場の調べ方と種類別の目安|農水省データで卸売価格を読む


📑 目次
牛飼い君
育てた野菜を売ってみたいけど、いくらで売れるものなのか、さっぱり分からなくて。
牛飼い君
さんぼう君
さんぼう君
いい着眼点だね。野菜は「相場」で値段が動くんだ。種類によっても、季節によっても全然違う。まずは相場の読み方を知ると、売るときに損をしにくくなるよ。

野菜を売ろうと思ったとき、最初に知っておきたいのが「相場」だ。同じ野菜でも、種類・季節・天候で値段は大きく動く。相場を知らずに売ると、安く手放してしまうことになりかねない。

先に大事な前提を言う。野菜の値段には「卸売価格」と「小売価格」がある。卸売価格は、市場で農家から仲卸・小売に渡るときの価格(私たち生産者側の価格)。スーパーの店頭価格(小売価格)はそれより高くなる。本記事では、生産者目線で大切な卸売相場の読み方と、種類別のおおよその目安を整理する。

⚠️ 相場は季節・天候・産地・年で大きく変動します。本記事の数値は「おおよその目安」であり、正確で最新の価格は、必ず後述の農林水産省の調査でご確認ください。

野菜の相場は「種類」で大きく違う

まず押さえたいのは、野菜は種類によって単価(kgあたりの値段)の水準がまるで違うということだ。ざっくり言うと、

  • 重さで売る野菜(重量野菜)は単価が安い……だいこん・キャベツ・はくさい・たまねぎなど。一個・一玉が重く、kgあたりの値段は低め。
  • 果菜・葉物は単価が高め……トマト・きゅうり・なす・ピーマンなどの果菜や、ねぎ・ほうれん草などは、kgあたりの値段が高くなりやすい。

下の表は、卸売価格の**おおよその目安(円/kg)**だ。あくまで目安で、時期によって大きく上下する点に注意してほしい。

区分主な野菜卸売価格の目安(円/kg・概算)
単価が安め(重量野菜)だいこん・はくさい・キャベツおおむね 60〜150円
中くらいたまねぎ・じゃがいも・にんじん・レタスおおむね 100〜300円
単価が高め(果菜・葉物)トマト・きゅうり・なす・ピーマンおおむね 300〜500円
特に高めねぎ・ほうれん草・葉物の一部おおむね 400〜700円

※上記は時期・産地・品質で大きく変動する概算の目安です。最新の正確な価格は農林水産省の調査でご確認ください。

「たくさん採れるけど単価が安い」のか、「量は採れないが単価が高い」のか。品目選びは、この単価の感覚を持っておくと判断しやすい

相場は「季節・天候」で動く

野菜の相場は、一年を通じて一定ではない。

  • 旬(出回りが多い時期)は安く、端境期(少ない時期)は高い……たくさん市場に出る時期は値が下がり、品薄の時期は上がる。
  • 天候で乱高下する……長雨・台風・猛暑・寒波で生育や出荷が乱れると、相場が大きく動く。「野菜が高い」とニュースになるのは、たいていこの天候要因だ。

だからこそ、「今、自分の野菜がいくらで取引されているか」を相場で確認する習慣が、売る側には欠かせない。

牛飼い君
じゃあ、その相場ってどこで見ればいいの?
牛飼い君
さんぼう君
さんぼう君
国(農林水産省)が、市場の卸売価格をちゃんと調査して公開しているんだ。次にその調べ方を教えるね。

相場の調べ方──農林水産省「青果物卸売市場調査」

野菜の卸売相場は、**農林水産省の「青果物卸売市場調査」**で確認できる。市場での卸売価格や数量を国が調査して公表しているもので、生産者が相場を読むうえでの一次情報になる。

  • 日別の動きを見られる「日別情報グラフ(青果物)」があり、期間を選んで価格の推移を確認できる。
  • 品目ごとの価格・数量が分かるので、「今、この野菜はいくらか」「去年の同じ時期と比べてどうか」をつかめる。

売る前に相場を一度のぞいておくだけで、「安く出しすぎた」を避けやすくなる。出荷のタイミングや、力を入れる品目を考えるときにも役立つ。

📊 出典:農林水産省「青果物卸売市場調査」 ・青果物の価格・数量の調査ページ:https://www.maff.go.jp/j/tokei/syohi/oroshi_kakaku/index.html ・日別情報グラフ(青果物):https://www.maff.go.jp/j/tokei/syohi/oroshi_kakaku/seika.html

直売・フリマでは「相場+付加価値」で考える

ここまでは市場の卸売相場の話。一方、直売所やフリマアプリで売る場合は、必ずしも卸売価格に縛られない

  • 直売所では、地元の鮮度や珍しい品種が評価され、卸売より高く売れることもある。
  • ただし手数料(直売所の販売手数料・フリマの手数料)や送料がかかるので、手取りで考える必要がある。

「市場ではいくらか(相場)」を基準に持ちつつ、「自分の野菜にどんな付加価値をつけられるか」を上乗せして考えるのが、賢い売り方だ。

よくある質問(FAQ)

Q. 野菜の卸売価格と小売価格は何が違いますか?

卸売価格は、市場で農家から仲卸・小売業者に渡るときの価格です。小売価格(スーパーの店頭価格)は、そこに流通・小売のコストや利益が乗るため、卸売価格より高くなります。生産者が相場を見るときは、まず卸売価格を基準にします。

Q. 単価が高い野菜は何ですか?

一般に、トマト・きゅうり・なす・ピーマンなどの果菜や、ねぎ・ほうれん草などは、kgあたりの単価が高めです。逆にだいこん・キャベツ・はくさいなどの重量野菜は単価が安めです(いずれも時期で変動します)。

Q. 相場はどこで確認できますか?

農林水産省の「青果物卸売市場調査」で、市場の卸売価格を確認できます。日別情報グラフで価格の推移も見られます(本文の出典リンク参照)。

Q. 直売所なら相場より高く売れますか?

鮮度や珍しさが評価されて、卸売価格より高く売れることもあります。ただし販売手数料や送料がかかるため、手取りで考えることが大切です。

まとめ──まず相場を読んでから売る

野菜を売るなら、最初の一歩は「相場を知る」ことだ。

  • 野菜の単価は種類で大きく違う(重量野菜は安め、果菜・葉物は高め)
  • 相場は季節・天候で動く(旬は安く、品薄は高い)
  • 卸売相場は**農林水産省「青果物卸売市場調査」**で確認できる
  • 直売・フリマは相場+付加価値-手数料で手取りを考える

相場を知らぬ者は、安く売る。まず値を読むのが、商いの初手だ。売る前に一度、相場をのぞく習慣をつけてほしい。

あわせて読みたい


─ さんぼう君よりひとこと ─

この記事は、和牛農家の息子としての経験と、飼料営業として全国の現場で見聞きしたことに基づいています。 個別の経営判断は、必ず担当の税理士・士業・JA・農業委員会等にご相談ください。

この記事を書いた人

さんぼう君

和牛繁殖農家・野菜農家の息子。実家の「売り先が限られている/やり方次第でもっと稼げるはず」 という課題を追ううちに、畜産・農業経営の知識を深く積み上げてきました。 現場で学んだ「リアルな農業経営」を、業界外の人にもわかる言葉でお伝えしています。

→ さんぼう君について詳しく