はじめての農業

じゃがいもの育て方|種いも・土寄せと栽培カレンダー付き【初心者向け】

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📑 目次
牛飼い君
じゃがいもって、難しそうなイメージがあります。初心者でもいけますか?
牛飼い君
さんぼう君
さんぼう君
じゃがいもは土をあまり選ばないし、意外と初心者向きなんだ。ポイントは「種いも」を使うことと「土寄せ」。掘ったときにゴロゴロ出てくる感動は格別だよ。

掘ったときにゴロゴロ出てくる感動が、じゃがいもの醍醐味。土をあまり選ばず、初心者でも育てやすい定番野菜だ。栽培カレンダー付きで育て方を整理する。

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⚠️ 時期は地域・品種・気候で前後します。本記事は関東を中心とした一般的な目安です。種いもの袋や園芸店でも確認してください。

じゃがいも 栽培カレンダー

じゃがいもは、年に2回植えるチャンスがある。

時期植え付け収穫向く人
春植え3月〜4月中旬5〜6月初心者におすすめ
秋植え8月下旬〜9月11〜12月経験者向き

初心者は、まず春植えから始めるのがおすすめだ。

1. 「種いも」を使う(食用はNG)

じゃがいもは、「種いも」として売られているものを植える。

種いもは、害虫や病気の検査に合格したもので、安心して育てられる。スーパーで売っている食用のじゃがいもを種いもにするのは推奨されない(病気のリスクがあるため)。必ず種いも用を買おう。

ここだけは食用で代用せず、「種いも」用を買う——これが失敗しないいちばんのコツだ。プランターでやるなら、深型の容器と野菜用の土も一緒に。土寄せの分だけ土がいるので、土は気持ち多めに見ておくといい。

🛒 じゃがいもでそろえる道具(種いもは食用で代用しない)

牛飼い君
家にある食べるじゃがいもじゃダメなんですね。
牛飼い君
さんぼう君
さんぼう君
そうなんだ。食用は病気のもとになることがある。少し手間でも、種いも用を買うのが失敗しないコツだよ。

2. 芽かき──元気な芽を残す

植え付け後、草丈が10cmほどに育ったら「芽かき」をする。1つの種いもから複数の芽が出るので、元気な芽を2〜3本残し、あとは抜く。芽を絞ることで、いもが大きく育つ。芽かきのあとに追肥を施す。

3. 最重要「土寄せ」──緑化を防ぐ

じゃがいも栽培でいちばん大事なのが「土寄せ」だ。

いもが地表に出て日光に当たると、緑色になり、ソラニンという毒素ができてしまう。これを防ぐために、株元に土を寄せて、いもを地中に隠す

  • 芽かき・追肥のあと、株元にしっかり土を寄せる。
  • 生長に合わせて、何度か土寄せする。

「土を寄せた分だけ、いもが増える」と言ってもいいくらい大事な作業だ。

4. 収穫(春植えは5〜6月)

葉や茎が黄色く枯れてきたら収穫のサイン。晴れて土が乾いた日に掘り上げる。

  • 春植えは5〜6月、秋植えは11〜12月が収穫の目安。
  • 掘ったいもは、日に当てず、風通しのよい日陰で乾かしてから保存する。

よくある失敗と対策

じゃがいもは丈夫な作物だが、「掘ってみたらがっかり」を防ぐために、よくある失敗を押さえておこう。

失敗1. いもが小さい・数が少ない

原因の多くは芽かき不足だ。芽を全部残すと、株の力が分散して小芋ばかりになる。草丈10cmで2〜3本に絞る——基本に忠実に。土寄せが浅くて、いもが育つスペース(地中の茎まわり)が足りないのも一因になる。

失敗2. いもが緑色になっていた

土寄せ不足で、いもが日光に当たった証拠。緑の部分にはソラニンなどの毒素が含まれるので、家庭では緑化したいもは食べないか、緑の部分を厚くむいて取り除くこと。対策は本文のとおり、生長に合わせた複数回の土寄せに尽きる。

失敗3. 表面がかさぶただらけ(そうか病)

皮にかさぶた状の病斑が広がるのが「そうか病」。見た目は悪いが、皮を厚めにむけば食べられる。原因は土にある。

  • そうか病の菌はアルカリ性寄りの土で増える。じゃがいもの畝には石灰をまかないのが鉄則だ。
  • 連作でも増える。同じ場所での連作を避ける(ナス科のトマト・なすの跡地も避ける)。

失敗4. 掘ったいもが腐っていた

多湿が原因。水はけの悪い場所・雨の日の収穫は腐敗のもとになる。本文のとおり「晴れて土が乾いた日に掘る」を守り、掘ったあとは日陰でしっかり乾かしてから保存する。

病害虫の見分けと対処

相手見分け方対処
テントウムシダマシ(ニジュウヤホシテントウ)背中に黒い点が28個のツヤのないテントウムシ。葉を網目状に食害成虫・幼虫とも見つけ次第捕殺。葉裏の卵塊も潰す。じゃがいもで増えて夏野菜のなす・トマトへ移るので、早期対処が庭全体を守る
アブラムシ新芽や葉裏に群れる。ウイルス病を運ぶのが厄介見つけたら早めに除去。種いも由来のウイルス対策が「検査済みの種いもを使う」理由でもある
疫病梅雨どきに葉に暗褐色のシミ状の病斑が出て広がる病気の葉は早めに取り除き、株間を空けて風通しを確保。広がる年は早めの収穫も選択肢

じゃがいもの病害虫対策は、植える前に半分決まる。検査済みの種いも・連作回避・石灰を入れない。この3つで主要なリスクの多くを避けられる。

牛飼い君
テントウムシって、いい虫だと思ってました。
牛飼い君
さんぼう君
さんぼう君
ナナホシテントウはアブラムシを食べる味方だよ。敵は「点が28個でツヤがない」ほう。葉が網目みたいに透けてたら、まず葉裏を見てごらん。

品種選びの目安

種いも売り場の定番3つを覚えておけば困らない。

品種特徴
男爵(だんしゃく)ホクホクの粉質の代表格。粉ふきいも・コロッケ・ポテトサラダ向き。煮崩れしやすい
メークインねっとりした粘質で煮崩れしにくい。カレー・肉じゃが・煮物向き。芽が浅く皮がむきやすい
キタアカリ男爵系で甘みが強く、ホクホク感も強い人気品種。じゃがバターで真価を発揮

味の方向がはっきり違うので、料理の好みで選ぶのがいちばん納得感がある。半分ずつ2品種植えて食べ比べるのも、家庭菜園ならではの楽しみだ。

収穫後の保存と食べ方

じゃがいもは野菜の中でも保存がきく優等生。ただしルールがある。

  • 日に当てない。保存中も光に当たると緑化してソラニンが増える。新聞紙をかけて、風通しのよい冷暗所へ
  • 段ボールや紙袋に入れ、暗く涼しい場所なら数週間〜数か月持つ(夏場は短くなる)。
  • りんごを1個一緒に入れると、りんごの出すエチレンガスが芽の伸びを抑えてくれる。昔ながらの知恵だが理にかなっている。
  • 芽が出てしまったら、芽とその周辺を深くえぐり取ってから使う(芽にもソラニンが多い)。

掘りたての新じゃがは皮ごと食べられるのが醍醐味。蒸かして塩バターで、まず一個。それが育てた者の特権だ。

よくある質問(FAQ)

Q. じゃがいもは初心者でも育てられますか?

育てられます。土をあまり選ばず、初心者向きの野菜です。種いもを使い、土寄せをきちんとすれば、立派ないもが穫れます。

Q. 食用のじゃがいもを植えてもいいですか?

推奨されません。種いもは病害虫の検査に合格したもので、食用のじゃがいもは病気のリスクがあります。必ず種いも用を購入しましょう。

Q. 土寄せはなぜ必要ですか?

いもが日光に当たると緑化し、ソラニンという毒素ができるためです。株元に土を寄せ、いもを地中に隠すことで、これを防ぎます。

Q. 植え付けと収穫の時期は?

春植えは3〜4月中旬に植えて5〜6月に収穫、秋植えは8月下旬〜9月に植えて11〜12月に収穫が目安です(関東標準)。

Q. いもの表面がかさぶたのようになっています。食べられますか?

そうか病という土壌由来の病気です。皮を厚めにむけば食べられます。そうか病の菌はアルカリ性の土で増えるため、じゃがいもの畝には石灰をまかず、連作を避けるのが予防策です。

Q. 品種はどう選べばいいですか?

料理の好みで選ぶのが目安です。ホクホク系ならコロッケ・粉ふきいも向きの男爵やキタアカリ、煮崩れしにくい煮物・カレー向きならメークインが定番です。

Q. 収穫したじゃがいもはどう保存しますか?

日に当てると緑化して毒素(ソラニン)が増えるため、新聞紙をかけて風通しのよい冷暗所で保存します。りんごを1個一緒に入れると、エチレンガスの働きで芽が出にくくなります。

まとめ──土を寄せた分だけ、いもは増える

  • カレンダーは春植え3〜4月→5〜6月収穫(初心者は春植え)
  • **食用でなく「種いも」**を使う
  • 草丈10cmで芽かき(2〜3本残す)+追肥
  • 最重要は土寄せ(緑化・ソラニンを防ぐ)

じゃがいもは、土の中の宝。土を寄せた分だけ、いもは増える。掘り上げる感動を、ぜひ味わってほしい。

参考・出典

  • サカタのタネ 園芸通信「ジャガイモの栽培方法」
  • タキイ種苗「ジャガイモ栽培マニュアル」
  • マイナビ農業「ジャガイモの育て方完全ガイド」「そうか病の症状や原因は?」
  • アース製薬 アースガーデン「ガーデニングQ&A(ジャガイモ)」

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─ さんぼう君よりひとこと ─

この記事は、和牛農家の息子としての経験と、飼料営業として全国の現場で見聞きしたことに基づいています。 個別の経営判断は、必ず担当の税理士・士業・JA・農業委員会等にご相談ください。

この記事を書いた人

さんぼう君

和牛繁殖農家・野菜農家の息子。実家の「売り先が限られている/やり方次第でもっと稼げるはず」 という課題を追ううちに、畜産・農業経営の知識を深く積み上げてきました。 現場で学んだ「リアルな農業経営」を、業界外の人にもわかる言葉でお伝えしています。

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